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取り組み概要


学生が取得すべき分野の拡がり

2つのプログラム

 本校を含めた多くの高専では,中学を卒業した段階で自らの専門分野(本校の場合,機械工学科,電気工学科,電子情報工学科,環境都市工学科,建築学科)を選択した学生を受け入れ,入学直後からの専門教育を特徴として教育を行なっています。
  本校では準学士課程の学習目標として

  1. 技術者として必要な基礎学力と専門的知識を身につける
  2. 意欲的・実践的に,ものづくりや課題の解決に最後まで取り組むことができる
  3. 幅広い視点から自らの立場を理解し,社会や環境に配慮できる
  4. 自分の考えを正しく表現し,公正に意見を交換することができる

以上の4つを掲げて学生を教育しています。しかし近年の技術の進歩は,上記学科の分類の境界を越えた様々な知識の修得を学生に要求しています。たとえば電気工学においても,電力制御,電子材料,情報制御,電子通信等と広範にわたる専門分野を5年間で修得する必要があります。そのためには低学年から専門分野の面白さに実感させ,自発的に学ぶようになる魅力的な教育システムを構築する必要があります。

 このことを達成するために本提案プログラムは,次の2点の取組みを特徴とします。

  • 1年生から3年生までに学ぶ専門基礎知識を定着させるために授業中に法則等を再現する in situ実験(その場実験)を積極的に導入し,早期に工学の面白さを実感させる。
  • 専門基礎科目をほぼ修得した段階で,電気工学の専門性を総合的かつ創造的手法を学ぶことの出来るものづくり創造実験(創造工学実験)を充実する。

※in situ:ラテン語で「本来の場所にて」を意味し,現在は種々の学問で「その場」の意味で用いられる。

 


スキーム

プログラム詳細

 低学年(1~3年生)では専門基礎教育の知識を定着させるために授業中の法則等を確認できる in situ実験の設備を教室内に整備します。すなわち教室内をミニ実験室とし,授業で習った法則等をin situで確認できるようにします。実験によってはクラス全員が一人で実施する実験テーマも導入します。

 さらに4年生では電気工学を幅広い専門分野別に大括りした4コースに分けた問題解決型学習かつチームプロジェクト型学習の手法を取入れたものづくり創造実験(創造工学実験)を15週かけて実施して,より本格的な創造教育の場としての卒業研究へとつなげます。なお,平成20年度から縮小したコーステーマであるが,上記創造工学実験を導入し,学生の自発性を引き出すのに成功しています。

 以上の教育システムの実施によって高専の特徴である早期専門教育のさらなる実効を図り,汎用性のある基礎知識を持った社会に通用する実践力のある技術者の育成を目指します。

 

 

 

 

 

期待される効果

<in situ実験>

  • 法則・定理が実体験を伴った知識として正しく定着される。
  • 学生の講義への取り組みに対する意欲の向上。
  • 時間のずれを解消して,座学で学ぶ法則が「なるほど」感をともなって理解できる。
  • 実験科目ではより進んだ内容を実施できる。従来の法則などを確認する実験とは異なる。
  • 学生の理解の度合いを授業中に確かめることができる。
  • 専門基礎知識を確実に定着させて,専門応用科目を学ぶことになる。

 

<創造工学実験>
  • in situ実験で学んだ知識や低学年での実験課題で学んだスキルを統合して,課題解決に取り組むことによって実践力と課題解決能力が養われる。
  • 5年生の卒業研究にスムーズに移行して,研究課題に取り組むことができる。
  • 自分の適性を発見する契機,あるいはキャリアデザインを考える契機となる。

 

<教員側>

  • 授業での教育方法を見直し,改善する大きな契機となる。

 

 以上,今回の創造教育プログラムによって,これまで以上に学んだ専門知識を知恵として活用できる実践力のある技術者の育成を目指していきます。

 

 

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