『水の流れをみよう』

1.環境都市工学科と水  

 環境都市工学科を卒業した技術者が扱う対象に「水」があります。この水とは河川・湖沼といった我々人間の生活に深く関連した自然です。これらの自然に対して洪水氾濫といった河川災害の防御、水環境の保全・予測、および、私達が生きていく上に必要な水資源の管理などの技術を駆使して私達の生活と水の関係を作り上げることは環境都市工学の役割の一つです。石川高専の環境都市工学科では河川・湖沼を対象とした災害防御や水資源・水環境といった研究を展開しています。水に関わる技術者には水の流れを理論的に捉えるための知識が必要となります。「水理実験室」は主に川の流れを再現するなど水の流れを知るための実験を行うために使われます。体験入学では幾つかの特徴的な水の流れについて紹介します。

2. 跳水現象

  特徴的な水の流れとして跳水と言われる現象があります。跳水はその名前の通り水が大きく跳ねるように流れる現象です(写真1)。流れが構造物を越える際に非常に速い流れが形成されます。この速く水深が小さい流れの形態は射流と呼ばれています。当然、射流は流れが速いために非常に大きなエネルギーを持っています。また、水の流れには射流の他に水深が大きく速度が小さい(エネルギーが小さい)流れである常流と言われる流れの形態が存在します。エネルギーの大きな射流からエネルギーの小さい常流に変化する際にはエネルギーを失うことが必要です。この時、流れは跳水という大きな変動を伴う現象を起こすことでエネルギーを損失させています 。

写真−1  跳水現象の様子

3. 河川を逆流する流れ

  河川や湖沼において水が非常に興味深い挙動を示す例が数多く見られます。その中の一つは河川を逆流する流れです。通常、河川では水が山から海に向かって流れます。しかし、稀にですが海から山に向かって流れる(逆流)する流れが見られる場合があります。河川の流れにおいて何らかの外的要因によって急激に水深が大きくなった時、この急激な水深の増大が上流側に伝わる現象が発生します。このような流れを段波と言います(写真2)。ブラジルのアマゾン川や中国の長江のような大河川の河口部では大潮時に海面が上昇すると非常に大規模な段波が発生することが知られています。アマゾン川で生じる段波はポロロッカ、長江で生じる段波は海嘯(かいしょう)という呼び名で知られています。

写真−2 段波発生の様子

4. 水理実験室の紹介

  石川高専環境都市工学科の水理実験室では流れを観察するための実験水路の他に流れの基礎原理を学ぶための装置が多くあります。体験入学ではこれらの装置について幾つかの紹介を行います。

 

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