数理・データサイエンス・AI教育プログラム 令和3年度・自己点検評価

本教育プログラムの概要

本校における数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシレベル)(本校MDASHプログラム(リテラシレベル))は,令和3年6月に文部科学省数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)の認定を受けている.機械工学科,電気工学科,電子情報工学科,環境都市工学科,建築学科において,表1に示す科目群をそれぞれ履修することで,本校のMDASHプログラム(リテラシレベル)を修得できる.

また,表2に示す科目群をそれぞれ履修することで,数理・データサイエンス・AI(リテラシレベル)モデルカリキュラムの「選択」に相当する学習内容を修めることができる.

授業評価アンケートに基づく教育内容の確認

本校のMDASHプログラムの授業内容・方法,教育効果については,FD委員会で毎年実施している授業アンケート等に基づき,点検評価委員会で確認を行い,本校所定のPDCAサイクルに基づき,将来構想検討委員会で報告することとしている.

表1に示した本校のMDASHプログラム(リテラシレベル)の対象科目について,令和3年度授業方法改善のためのアンケート結果のうち「この授業全体の内容は,理解できましたか?」「この授業で,教員は学生の理解度に気を配っていると感じましたか?」「この授業で,学生が理解できるような準備や工夫を感じましたか?」のアンケート項目が,授業の内容・方法,教育効果を反映しているものとして確認した結果を,表3に示す.また,表2に示した数理・データサイエンス・AIモデルカリキュラムの「選択」に相当する科目のうち,主要な科目についての同アンケート結果を確認した結果を,表4に示す.

表3および表4より,機械工学科における各科目での上記項目に対する1~4の4段階評価のアンケート結果の科目ごとの平均値は,2.8~3.6の範囲に分布している.対象科目のシラバスおよび試験等における達成度を確認したところ,数理・データサイエンスに関する理解について,不足は無かったと認められる結果であった.同様に,電気工学科における各科目ごとの平均値は,2.9~3.4の範囲であった.学年末における各科目の成績の平均点は,84点~86点の範囲であることから,科目内容の理解を達成できていると考えられる.

電子情報工学科では,表3および表4に示した各科目におけるアンケート項目の値が3.5から3.9の範囲にある.同様に,環境都市工学科での該当科目のアンケート項目の値も3.2から3.7の範囲にあり,それぞれ高い評価値となっている.

建築学科のアンケート結果においては,表3に示した本MDASHプログラム(リテラシレベル)の対象科目において,アンケート項目の値が3.4から3.8の範囲にあり,高い評価値となっている.表4に示した「選択」に相当する科目では,アンケート項目の値が2.9から3.0の範囲に分布しており,4段階評価の中位の値は超えているが,相対的にはやや低い値となっている科目も存在する.

本校のFD委員会では,令和3年度の授業評価アンケート結果を受けて,授業方法改善の記録の提出を全教員に求めており,継続した教育方法改善を教員に求めている.

本校のMDASHプログラム(リテラシレベル)の理解度調査アンケート結果

令和4年2月に,全学科の本MDASHプログラム(リテラシレベル)履修者(4年次)に対し,理解度を問うアンケートを実施した.4年次の学生は,表1に示す(リテラシレベル)の対象科目のうち,一部の科目の履修を終えた段階にある学生群である.その結果を,資料3-1(別紙)に示す.

対象者となる学生207名のうち,154件の回答を得ている.後の節で示す表5および表6のように,本MDASHプログラムの在籍者数に占める履修率は,おおむね92%以上である.回答者数の割合が74%とやや低いのは,この時期に一時的に遠隔での授業実施に切り替えることを余儀なくされたクラスがあったなどの事情によると考えている.数理・データサイエンス・AI分野に関する6つの設問のうち,5つの設問については,肯定的な理解度となる結果がいずれも過半数を超えており,学習および理解度が高まっている状況を確認できる.

「機械学習,ニューラルネットワーク,統計ソフトウェア,統計ポータルサイト,平均二乗誤差,ロジスティック回帰」などの技術的なキーワードについて,それぞれの基本的な手法や特徴を説明できるかを問う設問6.の回答では,71%の回答者が肯定的な3つの選択肢のいずれかを選んでいるのに対し,残り29%の回答者は,「技術や特徴を全く説明できない」という選択肢を選んでいた.

5年次に進級して引き続き本MDASHプログラムの対象科目の受講を継続する履修者の状況が,上記のようであることを踏まえて,授業を実施する必要がある.

より発展的な内容を含む「選択」に相当する科目履修者アンケート結果

電気工学科および電子情報工学科における科目履修者アンケート結果を,資料4-1から資料4-3(別紙)にそれぞれ示す.これらのアンケート結果は,文部科学省数理・データサイエンス・AIモデルカリキュラムの「選択」に相当する対象科目の履修を終えた最初の年度の受講生に対してそれぞれ実施した結果である.資料4-1および資料4-2は,令和4年度の電気工学科5年生に対するアンケート結果である.資料4-3は,令和3年度の電子情報工学科5年生に対するアンケート結果となっている.

資料4-1および資料4-3の設問1より,本校のMDASHプログラムに対する認知度は,それぞれ39%および35%であり,認知度については改善の余地がある.同じく資料4-1および4-3の結果より,「教育内容を今後の受講者に勧められるか」「履修した教科内容が数理・データサイエンス・AI分野を学ぶ際に必要であったか」という設問に対しては,いずれのアンケート結果においても90%を超える受講者が肯定的な選択肢を回答しており,教育内容については高い満足度を得られていると考えられる.また,資料4-2に示した理解度調査アンケート結果においても,いずれの設問でも80%を超える受講者が肯定的な選択肢を選んで回答していることが明らかとなった.

資料4-3に示した回答結果の自由記述欄において,「確率・統計の更なる内容拡充が必要」という主旨の記述が3件あった.多くはない件数ではあるが,同様の主旨の回答が重複していることから,本校に提出されている授業エビデンスの内容や,FD委員会で毎年実施・公表されている授業方法改善アンケート結果を,今後点検することが望ましい.

プログラム履修者数・修了者数の状況

本校のMDASHプログラム(リテラシレベル)において,令和3年度の卒業生に対するプログラム履修者数・プログラム修了者数および各学科の卒業者数をまとめた結果を表5に示す.いずれの学科においても,卒業者数に占めるプログラム修了者数の割合は,97%以上の高い値となっている.

表6は,文部科学省数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(応用基礎レベル)に相当する授業科目の単位修得者が,令和3年度の在籍者に占める割合を示している.電気工学科4年次開講の「プログラミングⅢ」と,電子情報工学科5年次開講の「システム数理工学」および「人工知能」が,それぞれ(応用基礎レベル)に相当する主要な科目である.いずれの科目も95%から92%の学生が履修しており,在籍者数に占める単位修得者の割合は,92%以上となっている.

資料(PDFファイル)