学生相談室
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『学生相談室って何するところ? かちょっと考えてみた』
学生相談室長です。
『食客論』と題された、幾分聞きなれないタイトルの本の冒頭は、「第1章 共生」のタイトル頁をめくると、「他人と生きることが得意ではない」という一文から始まっている。
この本の著者は自らがそうであることを認めます。ぼくもときどきそう思うことがあります。
どうですか?
「しかしそれでも、われわれはそのような生を生きなければならない――のだろうか」と疑問を呈したにも関わらず、「たとえどこまで遠くに逃げようと、そこにはつねに、ひとりならざる他者がいる」とくる。確かにいます。だから「そのような意味において、「共生」とは達成される理念などではなく、われわれがあらかじめ巻き込まれている所与の現実のことである」となる。この本の出版は2023年で、第1章は「群像」という雑誌の2021年5月号に掲載されました。2021年頃を基点として、「ここ二〇年ほどのことだろうか」、2000年、ミレニアムくらいの頃からね、「「共生」という言葉がさまざまな場面で目に付くようになった」という。けっして「ひとり」にはなれない私たちにとって、「それゆえ共生とは高邁な理想であるよりも前に、われわれがけっして抗うことのできない現実のことである」と追い打ちをかけられる。人と共に生きるということからは逃れられない。
そこで、「ゆえに、共生をめぐる問いがたてられるとすれば、それはいかにして共に生きるか、という疑問文のかたちをとらねばならない」となる。いかにして?
どうやって?
これを契機としてこの本では、ロラン・バルト(Roland Barthes, 1915-1980)の連続講義「いかにして共に生きるか」の読解へと走り、読者は一気に食客論の内容に引き込まれていく。
ここまでわずか3頁。
(星野太:『食客論』,講談社,2023,2)
もうひとつ。これは聞いたことがある人もいるかもしれない。
「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい」。いつの頃からかは忘れたけど、好きになった一節で、座右の銘にはしてないけど、割と常に頭のなかにある(あった)。ここにも「住みにくい」「人の世」がある。夏目漱石(1867-1916)、『草枕』の冒頭、山路を登りながら考えそうなことかもしれない。走りながらはちょっと考えにくい。
残念なことに(というのは、ぼくは建築学科の教員だから)、漱石にとって建築は芸術のなかに数えられていないのか、「住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる」と言い、さらに「どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生まれて、画が出来る」とのこと。建築と詩、絵画との取引なのか。詩人と画家の使命は、「越す事のならぬ世が住みにくければ、住みにくい所をどれほどか、寛容て、束の間の命を、束の間でも住みよくせねばならぬ」という事にあるとする。建築家は結構直接的にそれができそうな気がします。
続く文章のなかには、「世に住むこと二十年にして、住むに甲斐ある世と知った。二十五年にして明暗は表裏のごとく、日の当たる所にはきっと影がさすと悟った。三十の今日はこう思うている――」。五十を過ぎた頃、漱石は何を思っただろうか。
(夏目漱石:『夏目漱石全集3 草枕 二百十日 野分』,ちくま文庫,1987,12)
高専での学生生活は15才から20才までの5年間。専攻科までいくと20才から22才までの7年間。高専本科を卒業する頃に「住むに甲斐ある世」を知ってもらえればと思います。専攻科を修了すると、明暗が見えてくるかもしれません。学生相談室では、そのサポートができるんじゃないかと思っています。
石川高専は工学を学ぶ学校です。技術を知る学校です。物を創り出すことができるようになる、そういう学校と思って良いと思います。ここで、物を、特に大きな物になればなるほど、それを造ろうとすると一人ではできません。もしかすると小さい物でも一人では無理かも。誰かと一緒にチームを組んで、物を造っていきます。プレゼンテーションがあります。チームワークがあります。
そんな時に、他人と生きることが所与の現実であることに気がつきます。いつの間にかそれがあたり前になっていきます。
そして、たぶんときどき、その難しさに嫌気がさすことがでてくると思います。
そんなことを経験していくなかで、「いかにして」と考えていけるようになると良いんじゃないかと、思ってます。
学生相談室長 村田 一也
カウンセラー来校日
外部カウンセラーとお話ができます。保健室で予約を取ることができます。
≪5月の予定≫
5月 8日(金)喜多先生
5月11日(月)髙村先生
5月13日(水)深江先生
5月15日(金)西村先生
5月18日(月)髙村先生
5月20日(水)深江先生
5月22日(金)喜多先生
5月25日(月)髙村先生
5月27日(水)深江先生
5月29日(金)西村先生
学生相談室員
村田 一也 | 建築学科・学生相談室長 |
山﨑 梓 | 一般教育科 |
穴田 賢二 | 機械工学科 |
岡本 征晃 | 電気工学科 |
任田 崇吾 | 電子情報工学科 |
髙野 典礼 | 環境都市工学科 |
小川 福嗣 | 建築学科 |
堀井 佳美 | 保健室・看護師(インテーカー) |
西村 優紀美 | 外部カウンセラー |
髙村 梓 | 外部カウンセラー |
深江 有理佳 | 外部カウンセラー |
喜多 大輔 | 外部カウンセラー |
山本 悠 | スクールソーシャルワーカー |
梅原 智恵子 | スクールソーシャルワーカー |
リンク集
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障害のある学生の支援
本校では、すべての学生の多様な学びの機会を保障し、修学上の社会的障壁を取り除くための「合理的配慮」を提供しています。
病気や障害などにより、授業や学校生活において困難を感じている学生は、遠慮なくお申し出ください。いただいたご相談や申請に基づき、どのような環境調整や配慮が可能であるか、学校として真摯に検討いたします。
学生一人ひとりのニーズに応じた適切な修学環境を共に整えていくため、まずは学生相談室窓口までご相談ください。
高専機構における合理的配慮に関する規程および本校における合理的配慮提供フロー等は以下のとおりです。
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合理的配慮提供の具体例
・授業中、試験中のトイレ退室を認める
・スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーと定期的な面談を実施する