郷土愛育成による環境改善教育システム構築 石川工業高等専門学校問合せリンク
取組の概要河北潟に学ぶ河北潟に還す河北潟フォーラム活動レポート

平成19年度活動報告 出前授業

 本取組みにより育成される人物像として,「河北潟の水質を浄化する技術的な環境教育」そして「学内外に対して郷土愛を育成するリテラシー教育」この二つの教育を柱とした教育改善システムを構築しており,後者の教育の一環として,河北潟近隣中学校へ出前授業を行うものとした。

 今年度は,森本中学校にて中学生と本校学生との交流教室(2月26日)を手始めとした。森本中学校は,以前より毎年環境に因んだ講演を本校教員に依頼され,環境への取組意識も高く,また近くの森下川は直接河北潟に流入するという立地条件からも河北潟の環境への意識も高め易いと考えられた。しかし,森本中学校側は,学生の講演よりも,気軽に話し合える雰囲気を持った,少人数のグループ学習が望ましく,生徒にとって親や教師のような「縦の繋がり」や,同級生の「横の繋がり」ではなく,近所のお兄さんお姉さん的存在のような「斜めの繋がり」を本校学生に求めてこられた。本校としても中学校への学生の派遣は初めてのことであり,とりあえず申し出を受けて,少数ながら学生2名を選抜し,手探りで進めることとした。

中学校出前講座風景
森本中学校にて交流教室(2月26日)

  写真は交流教室の一場面であり,中学校の勉強を教えているところである。学生当人は,懐かしさから,一緒に熟考する場面もあり,それが返って中学生との距離を縮めたようである。勉強しながらも,時折高専の様子を聞かれ,談笑する様子もあった。中学生の方は,人見知りからか,話しかけづらそうではあったが,本校学生からの積極的な声掛けが気持ちを解したようで,表情からは楽しさや嬉しさが見て取れた。この交流教室は,中学生の希望制を取っており,参加生徒は積極的な方ではあるが,馴染みのない人間関係に戸惑いを感じていたようである。そう言った意味でも,森本中学校側の言う「斜めの繋がり」が最近希薄になっており,今生徒らにとっても重要となることが,如実に感じられた交流教室であった。

 次年度以降は,この交流教室を踏まえて,学生による講演形式ではなく,生徒少人数グループに本校学生を数名付けてのグループ演習という形式を取った方が良いと考えられる。また,河北潟の環境教育は勿論のこと,人間関係形成,人材の循環という観点からも,お互いに気軽に話しかけられるグループ演習は最適である。