郷土愛育成による環境改善教育システム構築 石川工業高等専門学校問合せリンク
取組の概要河北潟に学ぶ河北潟に還す河北潟フォーラム活動レポート

平成20年度活動報告 創造工学演習 II

 専攻科2年生の創造工学演習 II (後期)の授業において,学生の独自の創造性を活かしたプロジェクト型演習として,河北潟の環境改善に関する工学的な制作を行った。授業回数は,発表会を含め200分×15週である。
 本科での学科が異なる学生で構成されたグループを5グループ作り,それぞれ以下のテーマについて工学的な制作に取り組んだ。

自然エネルギープロジェクト I

固定設置あるいは牽引可能な太陽光発電システム車の設計・試作―発電車の設計・試作―

発電車の設計・試作

 河北潟の太陽光発電の可能性について学び,牽引あるいは固定設置が可能な太陽光発電システム車の設計試案を提言する。昨年度は,太陽光発電システム車を牽引する電気自動車を設計・試作した。本年度は,ソーラーパネルの発電効率を計測し,太陽光発電の可能性を検討した。次に,ソーラーパネルを搭載する太陽光発電システム車を設計・製作した。次年度は,電気自動車および太陽光発電システム車の性能試験および改善を行う予定である。
 本年度,設計・試作した太陽光発電システム車はアルミニウム製であり,車の構造材料であるアルミニウムパイプを学生自ら切断・溶接して組立てを行った。走行実験を行った結果,昨年度製作した時速約10kmで走行する電気自動車により牽引ができた。

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自然エネルギープロジェクト II

河北潟の浄化を目的とした自然エネルギー発電式酸素吸入装置の試作

 創造工学演習Uにおいて,環境にやさしい自然エネルギー発電を使って,水中に酸素を送り込む装置の製作に取り組みました。
 風力・太陽光ハイブリッド発電機のバッテリ残存容量や発電状況を監視しながら,状況に応じて適切にエアポンプを動作させ,水中に酸素を送り込む固定式の装置と,太陽光発電を用いてマイクロバブル発生装置を動作させ,効率よく水中に酸素を送り込むとともに,水中の汚れを浮き上がらせて水質浄化する移動式の酸素吸入装置を製作しました。

装置試作風景 装置試作風景 自然エネルギー発電式酸素吸入装置

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自然環境GIS プロジェクト

GISによる河北潟周辺の情報発信サイトの構築

PCでのWebGISシステムの構築

河北潟情報発信サイト

 河北潟周辺環境GISプロジェクトでは,地理情報を扱う情報技術であるGISを利用した河北潟周辺の地理情報扱う演習を行っている。演習では学生自らが地理情報を収集し,関連項目ごとまとめ,再利用可能な形で情報の整備を行っている。
 平成19年度は河北潟周辺の河川の水質や,地域の人口に関する情報を収集し,収集した情報をわかりやすく提示するための河北潟周辺環境マップの作成を行った。また,平成20年度は,収集された地理情報を用いて,河北潟周辺の地理情報を発信するためのホームページの作成と,地理情報を共有するためのWebGISシステムの構築をおこなっている。

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自然再生プロジェクト I

沈砂池の製作 −河北潟における泥除去システムの構築−

水路の作成

 河北潟では蓮根栽培が盛んに行われています。現地の農家や河北潟干拓土地改良区で調査を行い,収穫時の排水の処理についての問題を取り上げ,その問題を解決するため,現地で設置可能な排水処理システム(沈砂池)の構築に取り組みました。本年度は設置に伴う効果の検討をするため,実験室規模の小型排水処理試験装置を製作し,性能の評価や検討をしました。これらの結果を基に,創造工学演習 I の学生と共同で現地にモデル実験池を仮製作し,今後の活動に橋渡しをしています。このように今テーマでは基盤学科混合チームで理論計算・装置の製作・デザイン等を分担しながら,郷土の問題を題材に,問題解決能力を身につける取り組みが行われました。

システム構築計画会議 現地での穴掘り作業 実験装置の制作

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自然再生プロジェクト II

河北潟の水質改善のための浄化装置と配水システムの設計及び施工

水路の作成

 平成19年度に施工した「圃場用水の浄化を目的としたビオトープ」では、ビオトープのもつ自然浄化能力を最大限に活用するために、池中に曝気装置を組み込むことで、圃場に引き込む河北潟の農業用水を効率的に好気化し水中の富栄養状態を解消するとともに、土壌の栄養バランスを回復することを目的として建設を進めた。今年度はビオトープへの給水および農場への配水システムを設計・施工およびその性能評価を行った。給水側のシステムとしては、ビオトープへの負荷を軽減するために、全長4mの珪藻土を濾材とする濾過層を通して給水を行い、また農場への配水システムでは農場主の意向を与して、0.5t水槽2基に貯水してから農業用に使用するシステムを考案している。特に、濾過層の設計では、各種濾材に対して水流の抵抗値を実験により求め、理論性能を基にした実施設計を行っている。施工後2週間の断続運転を実施、パックテストにより水質浄化能力の確認を行った。

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