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取組の概要河北潟に学ぶ河北潟に還す河北潟フォーラム活動レポート

20年度活動報告【化学分野】

第3学年 化学担当教員 山岸英樹

生活排水が与える自然環境への負荷を学ぶ

 6月に,河北潟の水質の実態を紹介し,生活の近代化や周辺地域の都市化による日常の生活排水が与える自然環境への負荷の大きさを,BOD(生物化学的酸素要求量)やCOD(化学的酸素要求量)などの水質汚濁を表現する化学的指標の基礎概念を通じて学びました。
 汚れの評価には,BOD(75%値)を使用しています。河北潟へ流入する河川のBOD(75%値)は,この図からはわかりませんが,改善傾向にあることが報告されています。ただし,平成17年度は,宇ノ気川のBOD(75%値)が3.5mg/Lと環境基準値3.0mg/Lを超過しています。他の流入河川程度まで水質を改善するために,生活排水対策などのいっそうの推進が必要です。推進計画を策定した平成8年以降は,水質浄化のための総合的な生活排水対策の推進の効果が徐々に現れ,COD値は減少傾向を示していますが,環境基準のCOD5mg/Lの達成は困難な状況となっています。
  これらの水系に関わる幅広い環境問題の解説を踏まえて,河北潟全体についての課題と対策から,自分が身近にできる浄化対策までを学びました。

河北潟に流入する主要河川の水質状況
河北潟に流入する主要河川の水質状況

河北潟のCOD(75%値)の経年変化
河北潟のCOD(75%値)の経年変化